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傘をさして歩く

朝の時間に傘をさすのは
ひさしぶりのような気がする
じとじと降り続く雨
傘で雨から身を守っているが
体のなかから汗がしみでる
どちらにしても
水分がまとまりつく
ウェットな朝だ

普段身につけている
道具のなかで
傘の扱いは実に特殊だ

雨のときは
多少割高でも手に入れたいが
雨が止んでしまうと
どこかに置き忘れてしまう

昔から
モノに魂が宿る
そんな風に言われるが
傘に宿っている魂は
気まぐれに去っていくのだろう

今年になって
一体何本の傘を買い
何本の傘が去っていたのだろうか
それに使ったお金で
一体何杯の飯が食えただろうか

貧乏だったサムライのように
晴れた空の下で
傘を脇差しのように持ち
家の傘立てまで
連れ帰りたいものだ