もやしっこ

まっクロに日焼けした少年達
いかにもたくましく
健康的なその姿は
夏休み明けの特徴だ

なかには
日焼けもせず
まっシロな少年もいる
いかにも弱々しく
頼りなさそうな姿も
必ずどこかにいるだろう


小学生のときに
こんなタイプの少年
ひとりはいただろう

たいがい
目立たないことが多い

ヒトの輪になんとなく混じっている
もしくは
ヒトの輪から若干離れたところに
ひっそりと佇んでいる

小学生や中学生あたりまでは
輪の中心は黒くたくましい子
輪の外に白く頼りない子

そんなポジションどりが
一般的なのだろう


しかし
長い人生の中ではどうだろう

意外と
目立たない子
弱々しく、いじめられる子

そんなときを過ごしたヒトが
良い道を進んでいることが多い


もやしは一見すると栄養がない

薄暗い部屋で育ち
緑の部分がない状態で出荷される

しかし
栄養価が高い
安定した生産量も多く
育てやすいので
大勢の支持を受けている


発芽に使われるための力が
蓄えられている

見た目からはわかりにくい
ギャップがそこにある


弱々しかった少年時代
佇むその姿には力が感じられない
それから年月が経つと
蓄えられた力が発揮される


バーの片隅でひっそりと飲む
そんなヒトは何かを持っている

何かを持っていれば
余裕のある姿勢で臨むことができる


敢えて背伸びすることはない
自然体で構えられる
そんな余裕を持って生きていきたい

あせらない、あきらめない、気取らない

自然体で構えたい
自然体で臨みたい
自然体で進みたい