しるし
目に見えるしるし
祖父の家に行ったとき
柱に背中をつけて、まっすぐに立ち
頭に竹のジョウギを乗せる
載せたところに
エンピツでしるしをつける
そして
年月日をしるす
小学生のとき
祖父母を訪ねたときの日課だった
大人になると、だんだん
目に見えるしるしを
つけなくなっていく
意識のなかの見えないしるし
人と人とが繋がるとき
この見えないしるしが
コネクションとなる
それは身振り手振りに
隠されているのだろうか
それとも
交わす言葉に
含まれているのだろうか
不思議なことに
何かを決めるとき
方向に迷っているとき
目には見えないしるしに
導かれているのかもしれない
運が良い人には
しるしを嗅ぎ分ける能力が携わっている