同じ景色、同じ味
高速道路から見える
頭に雪を被った山々
白い厚い衣を羽織る
純白の富士山
その麓に広がるテーマパーク
ぐるぐるとぐろを巻き
じわじわとあがったあと
急角度で落ちてゆくジェットコースター
静かな水面が広がる河口湖
この近くにあるほうとう屋
寒く凍えた体が自然と足がむく
ぐつぐつと焼けた鍋に入った
濃厚の味噌とトンコツのダシに
甘い野菜とコシがある麺が浸かっている
ふうふうと冷ましながら
口へと運ぶ
冷えた体にしみわたる
やさしい味が広がる
〆のごはんと食べ終わると
満腹感で満たされる
店を出ると
名物の干し葡萄が売られていた
山梨弁丸出しのご婦人が
味見味見と食べさせてくれる
300gくらい買っただろうか
少々大きめの袋を持って
店をあとにした
次に向かったのは山中湖
渡り鳥でおなじみの白鳥が羽を休める
富士山に負けずとも劣らぬ純白の姿
えさをあげている観光客たちに
首を振りながら近寄ってくる
白鳥に混じって鴨たちもやってくる
あっという間に時間が過ぎる
近くのお肉屋さんで売られているトンコツ
特製のソースをかけて
車内で頬張る
噛めば噛むほど
肉汁がしみだしてくる
同じ景色に
同じ味
変わらない景色に
変わらない味
同じ景色の筈なのに
心境の変化で変わる彩り
同じ味の筈なのに
心境の変化で変わる味わい
自然は四季折々の変化を起こすが
人の感情の変化は七色に
いや
それ以上に変化を繰り返す
変化を楽しみながら
今日よりもっと良い明日を目指そう