探しモノは何ですか

朝起きてから、夜寝るまでに
いろんなものを持ち歩く

下着以外は
家のどこかしらに置いてあり

必要なときにピックアップされ
どこかへ持っていかれる

普段、身につけるモノ

財布や時計、スマホなどには
モノが本来持っている機能以上に
愛着がコーティングされ
重みが増している

モノには持ち主の魂がこもっている


長年持っているモノ

そこには同じ時間を共有した
思い出が込められている

どんなに時が流れても
モノの中には記憶が埋め込まれている


モノを捨てるとき
人形やぬいぐるみの類いは
神社におたきあげを頼むことが多い

魂がこもっていることを
意識しているからこそ
別れのときを大事にしているだろう


時が流れれば
持ち物も変わっていく


経済的な変化にもよるだろう

周りの環境の変化にもよるだろう

何よりも

気持ちの変化によって
選ぶモノが違ってくる


ヒトとヒトにも縁があるように

ヒトとモノにも縁がある


ショーケースに入ったあの商品

目に入った瞬間
心を奪われる

頭のなかのスイッチがONになり
目に見えない糸を巻き取っていく


万物は不思議な縁で繋がっている

落とし物のように
ある日突然
糸が切れてしまい
姿を消してしまうモノもある


失ったとき
はじめて、その価値に気付かされる

探しモノが見つかったとき
その価値を噛み締める


ひとは
こころにポッカリと穴があいたとき
それを埋めるモノを探すため
こころの旅を始める



探しモノは何ですか