行ったことのないところへ

あれから1年が経つ

ちょうど日曜だったあの日

春になったかのように

晴れ渡たり

ぽかぽかしていた日曜日

あなたはどんな気分で

目覚めたのだろうか


寒い日が続いていたので

久々に

散歩にでも出ていたのだろうか

いや

散歩に出る気力もなくなって

眉間にシワを寄せていたのだろう


前の日

私はあなたにこんな提案をした


もう好きなことをしていいのだから

これまで行ったことがないところに

行ってみたらどうだろうと


少し考えて

静かに頷いた

あのとき

どの景色を思い浮かべていたのだろうか

どんなことをしたかったのだろうか


夕方過ぎに鳴る電話

腰が抜けて

しばらく動けなかったあの時間


想像をはるかに超えた行き先

あなたの目には

桃源郷が浮かんでいたのだろうか


時空を超えた

はるか天空のかなた

決して引き返すことはない

浄土の旅へと旅立った


あれから1年

あなたはいま

どんな顔をして

長い旅路を歩いているのだろうか


私にはわかる


たくさんのひとに囲まれ

にこにこしながら

走りまわっているに違いない



晴れ晴れとした青空が

静かに

そして

やさしく僕に語りかけている