時空を超えて

遠い昔
人は夜空を見上げながら
たくさんのストーリーをイメージし
親から子へ
子から孫へ語りつぐ

そして
現代まで世代の脳内イメージが
チェーンのようにつながって
今宵も夜空に照らし出される

ひとはいろんな感情に
突き動かされたとき
自分と自分との対話のなかで
どうにもならないドツボにはまり
声にならない叫び声をあげるとき

ふと、夜空を見上げる

我を導きたまえ

そして
旅に出ることもある

出会ったことのない人に
笑顔で語りかける
やっと会えたよ、と

遠い昔に出会った人に
おかえりなさい、と

時間が流れても
変わらないものがある
空 とは実体を超えて存在する
時に間が空いていても
ときに色が変わったとしても
チェーンのようにつながっている

かのむかし
先人達が見上げた夜空
GPS上でも同じ場所

ただ
目に投影される景色がちがう
人のフィルタを通すとちがう

見えるものと見えないもの
聞こえるものと聞こえないもの
触れるものと触れないもの
味わえるものと味わえないもの
匂いを感じるものと感じないもの

受け継がれた五感のツール

だが
悠久の歴史は
月と太陽に交互に照らされながら
常に変わらぬ本質が存在しつづける

チェーンを辿るための第6感を探す旅路

たとえ冷たい雨雲に
視界を遮られていても

安心して進んでみよう

月光の聖者達が

迎えにくる

必ず

目の光を失わなければ