モンスターカスタマー

大阪万博が決まった


資金力に勝る

アゼルバイジャン、ロシアをおさえ

正攻法で誘致が成功した


日本はまだまだ捨てたものでない

そう感じた一幕だった


東京五輪

大阪万博


ひと昔前に人々を熱狂させた一大イベントが

時を超えて再び戻ってくる


さて

前回のような大成功となるのだろうか


ボクらは残念ながら

前回大会を知らない


親の世代に聞けば

白黒テレビからカラーテレビになり


だんだんと豊かになってくる高揚感

お祭りのような雰囲気だったと言う


三波春夫氏の

世界の国からこんにちは

をニコニコしながら口ずさむ


三波春夫氏は

お客様は神様です

と言っていたそうだ


お金を払っているのだから

神様扱いするのが当然だ


確かにおっしゃるとおり


しかしながら

当時と状況が変わってきた


当時はそれなりの高額を支払い

その払われた金額の多くが

従業員へと還元された


お客様へのサービスを向上させることで

会社の評判が上がり

会社全体が盛り上がる


その従業員が消費者となって

社会全体が盛り上がる

好循環の時代だった


しかし

バブル景気が弾けた


その後は

世界全体が大きな渦のなかにある


大多数の従業員の首が切られ

そこで得た利益は

ごく一部の富裕層にのみ還元される


日本では貧困率がみるみる上昇しているが

あまり大々的に報じられることもない


日本人は独特で

苦役を好む傾向がある


多くの人々は

状況が悪化しているのに薄々気付きながらも

むしろ誇らしげに苦労自慢が始まる


昭和の考え方が抜け切らない


お客様は神様だと

堅く信じている人がとても多い


大柄な態度をとられても

お客様ファーストで対応を続ける


だからこそ

世界的に見ても高いレベルのサービスができるのだろう

それが万博誘致の原動力になったのかもしれない


ここで面白い話がある


三波春夫氏の家族が

お客様は神様です

の解釈の修正を発表したのだ


本人は歌を歌うとき

お客様を通して

神様が見てることを

いつも頭におき


どんなに少なくても

どんなに反応が悪くとも

全力で歌うことを心がけている


その心境から生まれた言葉だそうだ



世界から再び注目される日本

八百万のモノに神々が宿る日本


どう活かすのか

真剣に考えるときがきた


もし

自分が神であると自覚する人がいるのなら


怖い顔で

目の前の店員に詰め寄るのではなく


福々しい顔で

明るい未来を語ってみてはどうだろうか


きっと

道は拓けるだろう


僕はそう信じて疑わない