とこわかに
常若に
常に若々しいと書く
伊勢神宮では
20年に一度
式年遷宮といって
神殿の引越しが行われる
はるか昔から
受け継がれてきた伝統行事
日本には
耐久性の優れた建物をつくれる
世界に誇れる技術がある
にもかかわらず
なぜ20年ごとに建て替えるのか
調べれば調べるほど
とても奥が深い
伊勢の地を訪れた方は
その理由を肌で感じられたに違いない
この地に行くと
何故か清々しい気分になれる
社殿に向かう途中
五十鈴川の清流で手を清めていると
これから異空間への冒険に
突入していくような不思議な感覚になる
身も心も軽くなっていくような気がする
何故そう思えるのか
僕はこう思う
日本に住む者にとって
この地は特別な空間として
人々から親しまれてきた
いまのように
交通網が発達していない時代から
いまのように
情報がすぐにとれない時代から
ご近所さんから
大家さんから
庄屋さんから
お役人さんから
先祖代々受け継がれてきた
我々に流れている血は
はるか昔から受け継がれて
いまがある
自分の体は自分だけのものでなく
長い時間かけて
代々の苦労が
結晶として
いまここに残っている
そう思いさだめると
特別な地に足を踏み入れるとき
自分のなかに宿る
たくさんの想いが活性化し
高揚感に満ち溢れる
だからこそ
普段では感じ得ないレベルで
清々しさを感じられるのだ
多くの人が
いろんな想いを持って訪れる
多くの人が
背負ってきた重い荷を下ろす
人々のココロが洗濯される
特別な場所
それが
日本の文化をつくり
日本が繁栄した基礎になっている
洗濯されるということは
淀みや濁りが溜まってくる
常に清らかで
常に若々しいエネルギーに満ちた
場所であるために
20年に一度
新しい神殿を作りなおすのだ
歴史は川の流れのように
過去から未来へ流れている
万物は波動帯びて
振幅している
良い時期
悪い時期
波打ちながら進んでいる
周期的に
古いものが消え
新しいものが生まれる
スクラップ&ビルド
時代は常に変わりながら
時を刻む
世界が大きく変わるいま
日本は停滞する時期に突入した
日本中が淀みきってしまっている
いまこそ
はるか昔から受け継がれた
とこわか(常若)な発想をもとに
勇気を持って踏み出そう
日本のチカラは
まだまだこんなものではない