兄弟仲良くしろ

我が偉大なる祖父の遺言

 

兄弟揃って遊びにゆき

遊んでいたときのことだ

 

些細なことで小競り合いしていたとき

突然、祖父の怒鳴り声が響いた

 

兄弟仲良くしろ

 

祖父の兄弟は仲が悪かったようだ

すぐ隣どうしにいるのに

一言も声を交わさなかった

それが

心残りだったのであろう

 

だからこそ

僕たちの世代には

こころから

こころの底から

仲良くして欲しい

 

そんな想いがあったのであろう

 

我が一族には

誇るべき才能もなければ

莫大な財産があるわけではない

 

今、我等に誇るべき財産は

兄弟の絆だと思っている

 

兄は弟を助け

弟もまた兄を助ける

 

皆さんには兄弟はおられるだろうか

仲の良い兄弟だろうか

 

兄弟水入らず

神楽坂の奥座敷で

酌み交わす酒  

これ程美味い酒はなかろう

 

三味線を聴きながら

ほろ酔い気分の我等兄弟を

祖父と父が遠くから見ている

 

ニコニコしながら

微笑みながら

 

 

我等兄弟

戦国時代のような

混沌とした平成の世を

知略を尽くして

生き抜こうではないか

 

ニコニコしながら

微笑みながら