とこしえに

雲ひとつない晴天の下


澄みきったココロが

今日この瞬間を掴みとる


ときは流れていても

流れてしまわない何かを求め

人びとが集まる


数百年まえから

変わらぬ佇まいを残し

いまの人びとを暖かく迎えている


新しいページをめくると


柔らかい日差しに照らされた

神社の境内が浮かび上がる



朝日が顔を出し


日が昇り


夕日へと変わっていくように


人びとの営みも


そのとき


その瞬間によって


彩りが変わっていく


乱れることもある

支えが必要になることもある


そんなとき


遥か昔から変わらずに見守っている

神社へと足が向かう


目に見えぬ何かを

手が届かない何かを


掴みとるために


人びとが列をなしている

新たな年の始まり


普段は素通りしてしまう

神社にも行列ができる


数日前にはクリスチャンだった人びとも

今日ばかりは神道となる


恒例行事をこなさなければ

良いことが起こらない


そう思っている人が多い



だが


永いときの流れのなかでは


どこが年の始まりで

どこが節目なのか


ほとんどないに等しい


あるのは

いまこの瞬間だけだ


365分の1


24分の1


60分の1


目に見える数字では

捉えられないものがある


むしろ

目で捉えられるのは

表面的で単調なものばかり


いまの世は

そんなものばかりに目をとらわれている


だから


皆と同じことをしなければ


いついつまでに何かをしなければ


自分にマスト条件を加えていく



ひとはみな


レールの上を走りだしてしまうと


周りみち

寄りみち

後戻り


前に進む以外のみちを閉ざしていく


息苦しくなってはいないだろうか



新しいページを開ける

いまこそ


やわらかな陽の光を浴びて

見えざるみちを探してみようではないか


いま

人生の旅路で歩けるのは


過去のみちではない

未来のみちでもない


とこしえに続く

いまこの瞬間だけだ


自分を信じて前に進むがよい


直感に身を任せ


雨風に負けぬよう


使命を持ち

いのちをつかって進む者には

必ずエールが聞こえてくる


「とこしえにな」